KOCHI JAPAN
樽の巻 その1
珊瑚加工は、熟練した珊瑚職人が手元で加工を施す場合と、「樽」を回転させることによって小さい珊瑚を磨く場合があります。
珊瑚の先端(枝)部分の仕入れを致しましたので、珊瑚加工の「樽の巻」をご紹介しましょう。

上記の画像は、珊瑚の先端(枝)の一部分です。
血赤珊瑚、赤珊瑚、桃珊瑚が含まれていますが、表皮に覆われていますので、「樽」で回転させることによって、珊瑚の表皮を取り除く作業を行ないます。
手元で行なうこともできますが、電動工具の先端にサンドペーパーを取り付け表皮を削り落とします。
一つの珊瑚に、150番〜1000番迄のサンドペーパーをかけるので、大変な時間と労力を要します。
今回のように大量に小さな珊瑚がある場合には、「樽」による加工を施すようにしています。
Lapinが最初に拝見させて頂いた時には、“芋洗い”(水車などを利用してきれいにする)のように感じました...。
「樽」による加工も、先人が積み重ねて下さった経験と叡智をしっかりと受け継ぎ守られてきたものです。
説明には不十分な点も多いことと思いますが、Lapinのホームページを通じて、より多くのお客様に【土佐の珊瑚】の魅力をお伝えできたらと願っております。
ごゆっくりご覧になって下さいませ。
  1. 今回、仕入れをした珊瑚(サンゴ)原木の一部です。
    珊瑚の枝の部分ですが、新木(シンキ)と呼ばれており、血赤が含まれているので、とても奇麗です。
    これから、「樽」に入れて回転させ、表皮を取り除く加工をします。
  2. 珊瑚を入れて回転させる「樽」です。
    電動式でモーターが取り付けてあり、ベルトをかけて「樽」を回転させます。
  3. 機械から「樽」を取り外し、樽の口に珊瑚と日本瓦を砕いたものと水を入れます。
    *日本瓦を砕いたものの代わりに、砥石や専用の研摩チップを入れる場合もあります。
    最近では、日本瓦(古いもの)も少なくなってきました。
    Lapinでは、土佐伝統の珊瑚の磨き方を行なっているので、日本瓦を入れて行ないます。
  4. 珊瑚が樽の中に納まりました。
  5. 樽を機械に固定し、ベルトをかけて回転させます。
    「粗磨き」の時間は8〜10時間。
    この間、樽は回転を続けます。
  6. この日は10時間、回転をさせました。
    樽を機械から外します。
    樽の中は泡だらけになっているので、流水で軽く流します。
  7. 樽の中は泡だらけで、まだ中の珊瑚は見えません。
    泡は珊瑚に含まれる微量の塩分とミクロに削り落とされた表皮、日本瓦の成分などが混合された不純物です。
  8. 珊瑚はどんなに奇麗になっているのでしょうか?
    一部を取り出して流水をかけて流してみました。
    すごーく綺麗になっていました!