2010年7月17日18日の両日、高知県香南市赤岡町で「絵金祭り」が開催されました。

蝋燭の炎にぼうっと浮かぶ泥絵の具。
血の海に沈む女、転がる首、臓物、人魂、幽鬼、阿鼻叫喚、凄惨、狂乱…
鬼才絵金が描いた、おどろおどろしい屏風絵が復活の時を迎える。。。

（画像撮影は、Lapinのお客様より...m(_ _)m）


絵師金蔵・・・略して絵金。（後、弘瀬洞意　1812年〜76年）
絵金は、1812年、高知城下の貧しい髪結いの子に生まれました。
江戸に出て土佐藩御用絵師前村洞和に入門し狩野派を本格的に学んだ後、帰高し、天保3年（（1832年21歳の時）土佐藩家老桐間家の御用を勤める狩野派の絵師となって「林洞意」と名乗り、苗字帯刀まで許されましたが、贋作事件（絵金が描いた狩野探幽の模写を古物商が売ろうとして摘発されたと言われる。）に連座して、その身分を奪われ、狩野派破門、林洞意の号を奪われました。城下を追放され、この頃「弘瀬柳栄」と名乗っていたとされています。
在方を放浪したとも、上方に上り小屋者として歳月を過ごしたとも言われていますが、謎に包まれた部分が多く、すべて不明です。
野に下った絵金は、叔母を頼りに、赤岡の町に定住しました。
この赤岡の町は、絵金にとって住み良い場所であったとみえ、酒蔵をアトリエに描き続けた作品が、今尚、保存されています。


祭りの興奮を高めるのは、絵金の極彩色の泥絵の具と圧倒的な筆の勢いが刻まれた六尺四方、二曲一双の屏風絵。


その修羅を描いた芝居絵の世界は、和蝋燭の灯に照らされ揺れめき、動き出さんばかりの迫力で見る者の心をわしづかみにしてしまいます。

絵金の屏風絵は、闇の中にあってこそ圧倒的な存在感と異彩を放つと・・・

俗悪にして絢爛といわれる極彩色の屏風絵・・・

今年も県内外から多くのお客様で賑わった「絵金祭り」☆



＼(>o<)／ギャー！　恐いオバちゃん？


絵金の作品は、屏風絵のみならず、絵馬にも込められているのです。。。恐い


謎の絵師、絵金（弘瀬洞意）

謎の絵師、絵金。絵筆が醸し出す圧倒的迫力。
そして今に残る作品の多さにもかかわらず、彼は百年もの間、正当な評価を受けることがなかった。
謎深き絵師「絵金」
赤岡の町に定住する迄、どこに住んでいたのか・・・
なぜ異常なほど芝居に詳しいのか・・・
どんな人物だったのか・・・

謎である！！


絵金は、その姓を木下、林、弘瀬と変えている。
名前（画号）の方は金蔵を振り出しに洞意、美高、柳栄、雀七。
苗字帯刀まで許される。。。（幕末のスキャンダル贋作事件迄）
その後、町絵師として縦横に活躍する。
晩年は赤岡町に身を置き、創作に励んだと言われている。
維新後の明治 9 年、65歳で没。


【絵金について】
文化 9 年（1812年　 1歳）10月 1 日に高知城下新市町に髪結いの子として生まれる
文化11年（1814年　 3歳）北斎漫画 初編刊
幼少より画才に優れ、文政12年（1829年18歳）江戸へ上る。狩野派を本格に学ぶ
天保 2 年（1831年　20歳）北斎「富嶽三十六景」開版
天保 3 年（1832年　21歳）江戸より帰国し桐間家の御用絵師となり、苗字帯刀まで許される。
天保 4 年（1833年　22歳）安藤広重「東海道五十三次」開版
天保 6 年（1835年　24歳）坂本龍馬生まれる。絵金が24歳の時に龍馬サンが生まれたがですね♪
天保〜慶応年間（年月不明）
一連のスキャンダル（狩野探幽の贋作事件）を起こし、お抱え絵師の身分を失う。
狩野派破門、林洞意の号を奪われる。城下追放、弘瀬柳栄と名乗る。
在方を放浪したとも、上方に上り小屋者として歳月を過ごしたとも言われるがすべて不明☆
町絵師金蔵（絵金）として町人、農漁民に愛され、僅かな謝礼で風俗画などを多数描く
赤岡に定住し芝居絵を大成する☆☆☆
芝居絵屏風、奉納絵馬など多数製作。
庶民の楽しみの場である神社の祭礼時に絵金の絵が展示された。
慶応 3 年（1867年　56歳）大政奉還。坂本龍馬（33歳）暗殺されたがです。(;＞_＜;)
明治 2 年（1869年　58歳）このころ高知市蓮池に住み、弘瀬姓を名乗り雀七と改名。
妻初菊、嗣子俊三郎とその妻糸竹、長女糸萩、孫千代
明治 6 年（1873年　62歳）中風を患い、死までの3年間は左手で描く
明治 9 年（1876年　65歳）3 月 8 日に没す。上田村の本正寺で葬儀
明治12年（1879年）妻初菊死去。「友竹斎夫婦墓」が真宗寺山腹の墓地に建立される